10月2日(金)~3日(土)一泊二日、唐松岳-不帰ノ嶮山行報告2日目その1、不帰ノ嶮ピストン編。
朝食はまだ暗い5時から。
昨晩から風は強く、冷え込みもきつい中、唐松岳山頂からのご来光を拝むために、登って行く方も少なくなかった。
自分は朝食後、日の出の時間前に山荘の裏手から朝焼けと朝日を眺める。
昨夕は、剱岳方面に雲海が出ていたが、朝は白馬村側の日の出方向に雲海が広がる。
剱岳。こちらの雲海は消えていた。右手に沈み行く月が見えている。
のんびりと朝の風景を眺めた後、山荘にもどって出発準備を整える
慎重にザレ場を歩行し、3峰を過ぎ、
7時30分、2峰南峰へ到着。北峰へ続く稜線を見下ろす。
7時45分、2峰北峰の頭。ここを越えると下りの鎖場で、不帰ノ嶮の核心部となる。
鎖場は岩の下りに集中するため、写真はナシ。
北峰の鎖場は大きく2箇所に分かれ、その間は細い平地。
平地といっても下の写真(左手)のように、すれ違いに困るような細さ。
そこで立ち止まり、白馬村方面から押し寄せ、堰止められた雲を眺める。
ズームアップ。乗り越えた雲はすぐに消えていくためか、優雅な滝雲とはならず。。。
鎖場では、白馬側からの登山者とは出会わなかったが、この平な道で2人組みのパーティーとすれ違い、道を譲っていただいた。
この不帰ノ嶮の行き帰りですれ違ったのは数組程度で、自分の上り下りに集中できる静かな山行だった。
すれ違いの頻度がもっと増えれば、待ちも発生し、落石やすれ違い時にバランスを崩すリスクもグッと増すことだろう。
8時30分、北峰を下り終え、ふりかえって下りてきた岩場を見上げる。
頂まで直登、直降ではなく、途中からは写真では見えていない裏手に回るようルートは作られている。
なお、鎖場に鎖はあるが、手がかり足がかりもあるので、基本、鎖に頼らず上り下り可能。
不安定な岩をつかんでしまうと岩とともに落ちる危険があるが、安定した岩をきちんとつかめば、
鎖に頼るよりも姿勢も安定しやすく、安全に岩場を上り下りすることができる。
自分は鎖はいざというときにすぐつかめるように位置取りするだけで、実際にはほぼ利用することはなかった。
1峰の上り下りは危険箇所ナシ。
1峰の頭から、先の稜線と天狗の大下りを眺める。
9時、天狗の大下りの上り口まで進んだところで、ザックを下ろし小休憩。
この辺りで先行者に追いつき、その方も近くで休憩を取られていた。
下の写真のちょうど真ん中辺りに、天狗の大下りを登る登山者が見える。
写真ではなだらかに見えるが「大下り」と名づけられているだけあって、
実際に見た感じは長い急登だった。
不帰ノ嶮を越えて一安心した後のこの登りはきついだろうな。
ただこの登りを上がりきれば、白馬岳まではわりとなだらかな稜線歩きになる。
越えてきた1峰(写真左手)、2峰(北峰~南峰:写真中央)を振り返る
朝食からすでに4時間経過し、お腹も空いてきていたので、ここでカロリーメイト食。
10分ほどの休憩後、引き返す。
近くで休憩されていた方は、白馬方面へと縦走を進められるようで、
挨拶を交わし、お互いの安全を願った。
帰りは、来るときはあまり目に入らなかった紅葉と剱岳を眺め、度々足を止めた。
1峰の下りから、2峰をのぞむ。
ここからの眺めが、怖気づいてしまいそうな最も迫力ある姿だった。
左手が白馬側で、右手が唐松側。
唐松側には滑りそうな砂地のところもあり、足の置き場が不安定で、足の運びをどうやって
橋までたどり着くか(行き)、あるいは、橋から登山道にもどるか(帰り)、ちょっと戸惑った。
ここで渋滞して焦って慎重さを欠くとリスクが高まるだろう。
核心部を越えてサクサク歩いていると、登山道上に2羽のライチョウが出てきていた。
いきなり現れた登山者にライチョウもちょっと驚いた模様。
ハイマツ帯へと入り込んでいく。
ライチョウに出会えるとわかっていれば、驚かせないようもっと静かに歩くのだが。。。
一羽はすぐにハイマツ帯の中に入り、もう一羽は少しの間だけシャッターチャンスをくれた。
気づいてからは足を止め、音も立てないようにしたのだが、このあと、もう一羽もハイマツの中に姿を隠した。
短い時間であったが、今シーズンもライチョウに出会えてよかった。
カメラをしまって、また登山道を歩き出し、南峰までもどってきた。
南峰でザックを降ろし、小休憩&水分補給
またザックを背負い、1峰~唐松岳へもどる。
眼下の紅葉。不帰ノ嶮でこれだけ紅葉を眺めることができるとは思っていなかった。
1峰~2峰の、白砂とハイマツは美しかった。
ただ白砂は滑りやすくもあったのだけれど。。。
11時30分、唐松岳山頂までもどり、歩いてきた不帰ノ嶮を眺める
山頂は、朝から八方尾根を登ってきたのであろう登山者でにぎわっていた。
唐松岳山頂からの下りは、どんどん登ってくる方とのすれ違いで停滞気味。
11時45分、唐松山荘までもどる。
山荘から山頂まで、登山者が連なっているのが見える。
以下、2日目八方尾根下山編へ続く。。。