9月24日~25日、紅葉の涸沢&北穂高岳山行報告、その3。2日目北穂高岳登頂編。

涸沢でモルゲンロートを眺めた後、荷物を整理して、6時に北穂高岳山頂に向け、出発

2年前に、30分ほどだけ北穂高岳への登山道を登ったことがあるが(「涸沢トレッキングレポート3~北穂高登山道散策編」)、そのときと一部ルートが変わっていた。

2年前は、初日に登ったので、きつい急登に感じられたが、今回はまだ歩き始めなので、きつさを感じることなくテンポよく上がっていく。

岩がごろごろしたところを上がっていくと、平坦なところが現れ、そこで小休止。ヒュッテを出て1時間程度。

0712_2024

紅葉の写真を取りながら、周囲を見回すと、ふと花束が目に留まる。
9月11日に北穂高下山中に滑落事故があったので、もしかしたら、そこが滑落個所だったのかもしれない。。。

小休止後再出発。長い鎖場が現れる。

その鎖場をほぼ鎖を使わず登り切った辺り、けっこう強風が吹いていて、そこから上部はガスってもいたので、ちょっと怖気づきながらも先へ進む。
風が強かったのは、たまたまそこが風の通り道だったようで、強風はすぐにおさまった。


その先2段のハシゴがあるところで、登山者と下山者で重なりちょっと停滞
1段目と2段目の間はスペースはあまり広くないところで、登りの数名が待機。
そこに下山者3人組のパーティが2人降りてきていて、そのうちのリーダーらしき男性が、3人一緒でないと不安なのか登りを待たせて、3人目に降りてくるように指示
現場の状況から、それは判断ミスと自分には思えた。
どうして狭いところの密度をさらに増して、すれ違い時に接触が発生しかねないような判断をするのか。
接触してもバランスを崩す恐れがあるし、接触を避けてもバランスを崩す恐れがある。
これは単なる想像だが、その3人組には、3人目に「降りずに上で待つように」と指示する信頼関係がなく、全体状況を考慮することなく、ただ3人目を不安にさせたくないという事情を優先させたのではないか。。。

3人目が降りてきたところで、ハシゴ下で待機していた登りの方が上がっていく。
自分はやや後方にいたので、降りてきた方と、狭い岩の上ですれ違って先へ進まないといけない。
ふつうに進むと接触しそうなので、その方の位置取りをちょっとずらすようお願いして、接触なくハシゴ下へ進み、2段のハシゴ場を通過。

ちょっとしたことだが、危険地帯での上り下りの譲り合い方、複数行でのリーダーの統率力・判断力の重要さ、など教訓化できる経験だった。


そこからさらに岩場を上がっていくが、山頂が近づいているようで、なかなかたどり着かない。足取りも少しずつ重くなっていく。

ようやく涸沢岳~奥穂高方面と北穂高山頂への分岐に到着するが、そこからまだもうひと登り。

8時30分ごろ、涸沢を出発して約2時間半で北穂高山頂に到着。
が、そこは、ガスの世界で、眺望ナシ。。。

0835_2029

とりあえず山頂からの眺めはあきらめて、北穂高小屋に降りていく。
北穂高小屋にてコーヒーをいただきながら、ガスが晴れるのを待つ。

待っている間、ポツポツと、この濃いガスの中、大キレットを越えて、北穂高へたどり着く。
複数行の登山者は皆、大キレットを越えてきた達成感を声や表情に表し、一方でただの通過点のように静かにザックを置き腰を下ろす単独行の方もいらっしゃる。

0905_2036

北穂高小屋で小一時間過ごし、そろそろあきらめて下山しようかとも考え始めたころ、槍の穂先が顔を出した。

0924_2041

0927_2047

大喰岳~中岳~南岳~大キレット、そして今いる北穂高へと連なる縦走路が徐々に姿を現す。

0932_2058

0936_2075

見下ろしても、良い眺め

0938_2080

こちらは滝谷の大岩壁。
すごい迫力。足がすくむ。0940_2082

さらにガスが引き、槍ヶ岳から南岳へと至る縦走路がすっきりと見える。
この縦走路を歩くとどんなに素敵なことか(この20日後に歩くことになるのだが、このときはまだ予定なし)。0947_2089

北穂高山頂&小屋にて、1時間強すごした後、9時45分ごろ涸沢に向け下山開始。

涸沢ヒュッテとそれを取り巻く紅葉を見下ろす1024_2090

北穂高山頂方向を見上げる1047_2103

下りてきた長い鎖場を振り返る1047_2106

後続の方が、下りている最中。
なお、この間、登りの方が下で一人待機しており、自分が降りるときに小石を落としてしまった。。。反省。
自分の場合、登りでは鎖は使わなかったが、下りでは万一に備えて、片手を鎖に添えながら、降りてきた。

前穂高~涸沢カールを眺めながらの下山。1108_2118

涸沢近くまで下りてきたところから、見上げた紅葉が、今回の山行で一番綺麗な紅葉だった。1120_2124

1127_2137

下りは写真を撮るのに、何度も足を止めながら、
北穂高山頂から2時間弱、11時40分、涸沢ヒュッテにもどってきた。

1148_2149

涸沢ヒュッテにて、昼食&荷物を再整理。

12時過ぎに、涸沢ヒュッテを離れ、来た時と同様、横尾ルートで上高地へ向かう。

涸沢ヒュッテを出てすぐ、6月に西穂高山頂に登った時に出会った単独行のおばあさんと再会。
軽く挨拶を交わす。涸沢までなら驚かないのですが、
この方、西穂で初めて出会ったときは、ストックを巧みに使って、西穂独標からさらに9峰、ピラミッドピークを越えて西穂高山頂へと向かっておられ、ホントすごいと驚嘆しました。

その後も登ってくる多くの方々とすれちがいながら、本谷橋まで下りてくると、何かの撮影中。
その横を通り過ぎ、小休憩後、さらに横尾~上高地へと下りていき、
涸沢から約4時間、16時に上高地到着。

バスでアカンダナ駐車場へもどり、いつものように、平湯で温泉に入って一息ついてから、京都へもどった。

今回の山行は、何よりも、北穂高からの絶景、朝霧に浮かぶ槍ヶ岳と、北穂高へと至る縦走路を眺めることができたのがよかった。
この絶景を眺めていなかったら、20日後の槍ヶ岳山行はなかったかもしれないし、あったとしてもルートは変わっていたかもしれない。

この北穂高登頂で、今年1年で、4つの穂高(西穂高、奥穂高、前穂高、北穂高)登頂を果たしたことになるのですが、そのうち、まとめ感想を書きたいなと思っています。それはまだ先になりそうですが。。。

▽この日の関連記事

▽過去の関連記事

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。